ソフエルという会社を覚えているでしょうか。1979年に東京で生まれ、今はICタグやリーダーを作っている会社ですが、昭和の終わりごろには、ほかのメーカーならまず作らないような一風変わったファミコンソフトをいくつも世に送り出していました。
今回の動画では、そんな「業界の異端児」ソフエルの名作を5本紹介しています。昭和64年に発売されたカジノゲーム、トマトが大将になる軍人将棋、鉄のボールで迷宮を進むタイタン、美少女とドリル戦車の地底アクション、そして株で100万円を10億円にするマネーゲーム。大人になった今だからこそ味わえる、クセの強い5本です。
この動画で紹介しているゲーム
1本目 100万$キッド 幻の帝王編
機種:ファミコン/メーカー:ソフエル/発売:1989年/ジャンル:カジノ
原作は『MMR』で知られる石垣ゆうきさんの漫画で、少年誌のギャンブル漫画の草分けと言われる作品です。発売日は1989年1月6日。昭和64年はわずか7日間しかなく、この年に出たゲームは3本だけだそうで、まさに昭和の大トリのような1本です。
遊べるのはドローポーカー、ブラックジャック、スロットマシン、ルーレットの4つ。ラスベガスやモナコ、ニューヨーク、日本のカジノを回るクエストモードがあり、ブラックジャックにはスプリットやダブルダウン、インシュアランスまで入った本格派です。その一方で、文字はすべてひらがな、原作の主人公ひろしの一人称が「おいら」と「ぼく」でゆれていたり、賭け金をまちがえ続けるとディーラーが関西弁で怒り出したりと、ツッコミどころもたっぷり。北米では『Casino Kid』として発売されました。
2本目 帰ってきた!軍人将棋 なんやそれ!?
機種:ファミコン/メーカー:ソフエル/発売:1989年/ジャンル:軍人将棋
1989年5月に発売された、家庭用ゲームで初めての軍人将棋です。おたがいのコマを伏せたまま動かし、ぶつかったら強いほうが勝つ軍人将棋は、本来は勝ち負けを決める審判が必要なゲーム。コンピューターが審判役をこなせるので、ゲーム機との相性はとてもいいのです。
ユニークなのは、コマのデザインが5種類あること。野菜や果物の「畑」、動物の「森」、ロケットやUFOの「宇宙」、ふつうの「町」、お相撲の「土俵」があり、土俵では地雷が「親方」、畑ではトマトが大将でキャベツが飛行機。どれが強いのかまったく想像できず、まさに「なんやそれ」です。コマの動きはゆっくりでコンピューターも弱めですが、自分のコマの並びを見ながら遊べるので、ルールを覚える入門用にはちょうどいい1本です。
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3本目 タイタン
機種:ファミコン/メーカー:ソフエル/発売:1990年/ジャンル:アクションパズル
もとはフランスのタイタス・ソフトウェアが作ったパソコン用のゲームで、ファミコン版は1990年の夏に発売されました。見下ろし型の画面でパドルを動かして鉄のボールをはね返し、ブロックをこわしながら迷路のような都市を進んでいく、画面がスクロールするブロック崩しです。
画面の外が見えないため、跳ね返り方を読みまちがえるとボールがすごい勢いで戻ってくるスリルも。ステージは全80面で、面ごとに地形も色もがらりと変わります。何度も挑んで地形を覚えるほどミスが減っていく、じっくり考えて進みたいパズル好きに向いた1本です。
4本目 地底戦空バゾルダー
機種:ファミコン/メーカー:ソフエル/発売:1991年/ジャンル:シューティング
1991年11月発売のアクションシューティング。地底探査用タンク「バゾルダー」の2〜4号機が次々と行方不明になり、5号機に乗りこんだ少女モービィが、4号機とともに消えた父と恋人を探しに地底へ向かいます。ファミコンとは思えないほど美しいモービィの一枚絵は、今もファンが多いポイントです。
バゾルダーはドリルタンク、ホバータンク、戦闘機の3つの形に変形し、章ごとに横シューティング、縦シューティング、アクション、さらに3Dシューティングまで遊び方が変わる欲ばりな作り。エネルギーが切れるとモービィの攻撃がやたら高いハイキックだけになったり、マグマの海にいるボスを前に「飲み水は使えない」と悩んだりと、妙なセリフや展開も話題になりました。ファミ通のクロスレビューは18点と荒削りですが、パターンを覚えればちゃんとクリアできるバランスです。
5本目 ザ・マネーゲーム
機種:ファミコン/メーカー:ソフエル/発売:1988年/ジャンル:株シミュレーション
1988年発売の、ファミコンで株の取引をするシミュレーションゲームです。株の神様から「100万円を10億円にせよ」と命じられ、せまいアパートから始めて、株でもうけて車を買い、恋人を作り、最後はデラックスハウスへの引っ越しを目指します。箱には会社のデータの本や株のマンガ、新聞まで付いていたそうです。
部屋のパソコンでニュースや経済の動きを調べ、ときどきまちがえるアドバイザーに電話で相談しながら売り買いする、意外とリアルな作り。彼女のめぐみちゃんにドライブをせがまれて、車がないと「ばか!!」とガチャ切りされる場面は、動画のオープニングでも紹介しています。続編『ザ・マネーゲームII 兜町の奇跡』は、アメリカでも『Wall Street Kid』として発売されました。
動画の目次
時間を押すと、その場面から動画が始まります。
- 0:00 オープニング
- 0:56 1本目 100万$キッド 幻の帝王編
- 3:56 2本目 帰ってきた!軍人将棋 なんやそれ!?
- 6:10 3本目 タイタン
- 7:06 4本目 地底戦空バゾルダー
- 9:42 5本目 ザ・マネーゲーム
- 11:26 まとめ
まとめ
カジノ、軍人将棋、海外生まれのパズル、地底アクション、そして株。ソフエルは、ほかのメーカーが手を出さないようなジャンルのゲームを次々と出していた、まさに昭和の異端児でした。どれも荒削りなところはありますが、ほかでは味わえない個性があります。
子どものころは難しかったり地味に見えたりしたゲームも、大人になった今遊ぶと、また違ったおもしろさが見えてくるはずです。動画では5本それぞれを実際のプレイ画面で紹介しているので、気になった1本を探してみてください。
▶ プレイ動画は YouTube「ファミっ子プレイ動画 retro gamer」で毎日22時に公開中。チャンネル登録で新作をいち早くチェックできます。


